百年の伝統 小港龍湖廟の「大士爺祭」

撮影:Carter

【◎文/李暁萍 ◎翻訳/有田夏子 ◎撮影/Carter】

时代の移り変わりとともに、中元节の伝统行事は徐々に失われつつあるが、小港龙湖庙の「大士爷祭」は百年の伝统を保っている。毎年旧暦7月14日から16日の3日间にかけて行われるこの祭りは、高雄の中元节の特色ある祭文化の一つだ。

撮影:Carter

小港龙湖庙は台湾でも珍しく、黄泉の国をつかさどる神「大士爷」(ダースーイェ)を主神とする庙である。だが、境内に大士爷の神像は见当たらず、厨子にその令牌が祭られているだけだ。言い伝えによれば、自身の鬼神としての姿が人々を怖がらせることを心配した大士爷が、みずからの神像を境内に置かなくてもよいと信者に伝えたためだといわれている。では毎年行われる大士爷祭の际、纸と糊で张り子の大士爷を作るようになったのはなぜだろうか?それについては、龙湖庙の代表者である李文洲さんが、このような言い伝えを语ってくれた。かつて大士爷から龙湖庙の者に、张り子の职人を呼び寄せるようにとのお告げがあった。そのとおりにすると、职人の梦の中に大士爷が姿を现し、职人がその姿を模して张り子で大士爷の神像を作るようになったのだという。黄泉の国を统率する大士爷は、中元节の间に现世に还り、供え物のお香や食事を楽しむ亡霊たちを监督する。中元节における道教の习わしには、あの世の亡霊たちへの思いやりが垣间见える。

小港龙湖庙は、张り子职人一家の四代目である陈志良さんに神像の制作を依頼した。出来上がった神像は、台座から顶部の観音像までの高さが5.2メートルに及び、张り子の大士爷像としては台湾最大の大きさとなった。

撮影:Carter

大士爷祭の准备の一つとして行われる「串金」作りも、小港龙湖庙に独特の风习である。これは、信者たちが力を合わせて22.4万枚の金纸を「元宝(古代中国で用いられた通货)」の形に折り、それらを针と糸でつなぎ合わせる作业だ。この串金は、祭りの最后に大士爷の像を燃やす仪式の际、天に升る大士爷への手土产として、その首元にかけられる。

祭りの初日である旧暦7月14日には、迎えの仪式として、大士爷の像を乗せたみこしが小港の街角を练り歩く。15日の中元节の晩には信者が集まり、大士爷の像を燃やす仪式が行われる。赤々と燃える炎の中、大士爷の升天を见守るこの行事には、あの世へと帰って行く亡霊たちが灾厄を持ち去り、人々の健康と无事が守られるようにとの愿いが込められている。一晩明けた16日の午前中、龙湖庙の祭主が大士爷の厨子と令牌を再び庙に安置し、守护神である山神と土地神の像を燃やすことで、大士爷祭は无事に终わりを迎える。

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